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社長のための週一経営メモ/開業するとき、自分の通帳って大事なの?|飲食店、美容サロン開業資金を考える

飲食店や美容サロンなど、

「いつか自分の店を出したい」

と考えている人も多いと思います。

「通帳」について考えてみたことありますか?

物件を探したり、内装を考えたり、メニューやサービスを考えたり。
少しずつ開業が現実的になってくると、

やはり気になってくるのが「開業資金」です。

「自分のお金だけで足りるかな?」
「融資ってどれくらい借りられるんだろう?」
そんなことを考え始める人もいるでしょう。

もちろん、開業には何かとお金がかかります。

店舗を借りる。
内装工事をする。
設備を買う。
仕入れをする。
広告を出す。

自己資金だけですべてを準備できる人ばかりではありませんので、
創業融資を検討すること自体は、ごく普通のことです。

ただ、開業資金や創業融資を少し意識し始めたら、
一度確認してもらいたいものがあります。

それが、
「自分の通帳」です。

「え?通帳?」
と思うかもしれません。

開業するなら、
事業計画を考えたり、
創業計画書を作ったりするのは何となくイメージできる。

でも、自分が普段使っている通帳が、
開業とどう関係するのかは意外と知られていません。

創業融資を考えるのであれば、
通帳は決して軽く考えてよいものではありません。

なぜなら、通帳には単なる残高だけではなく、

「これまで、どのようにお金と付き合ってきたのか」
その履歴が残っているからです。

1.実は開業するときに通帳は結構大事ですよ

通帳は「残高を見るだけ」のものではない

たとえば、通帳に100万円入っている人が2人いたとします。

一人は、会社員として働きながら、
毎月3万円、5万円と少しずつ貯金を続け、
数年かけて100万円を準備した人。

もう一人は、
創業融資を申し込む直前に、突然100万円が入金された人。

通帳の残高だけを見れば、どちらも100万円です。

でも、その100万円がどのように準備されたものなのかは、
まったく違います。

創業融資では、
「今、いくら持っていますか?」
という残高だけを見るわけではありません。

そのお金をどのように準備してきたのか。
いつ頃から準備してきたのか。
どこから入ってきたお金なのか。

こうしたことを確認するための資料の一つとして、
通帳が使われます。

つまり通帳は、
「残高を確認するためのもの」

というより、
「お金についての履歴書」
のようなものだと考えると、
分かりやすいかもしれません。

2.通帳にある「100万円」が意味するものとは

「自己資金100万円あります」だけでは分からない

創業融資の話になると、
よく出てくるのが「自己資金」という言葉です。

「自己資金はいくらあればいいですか?」
という質問もよくあります。

もちろん金額も大切です。

でも、それだけではありません。

たとえば、
自分で毎月貯めてきた100万円。
退職金として受け取った100万円。
親から援助してもらった100万円。
何かを売却して得た100万円。
誰かから借りた100万円。

同じ100万円でも、その中身はそれぞれ違います。

大切なのは、
「その100万円は、どういうお金なのですか?」
と聞かれたときに、自分で説明できることです。

突然、大きな入金があったらダメなのか

融資を申し込む少し前にまとまった入金があると、
「このお金は何ですか?」
と確認されることがあります。

だからといって、
大きな入金があったら即ダメ、という話ではありません。

退職金かもしれません。
親から援助を受けたのかもしれません。
保有していた資産を売却したのかもしれません。

きちんと理由があり、
それを説明できるのであれば話は変わります。

逆に、
「よく分かりません」
「知人から一時的に借りました」
「とりあえず残高を増やすために入れてもらいました」

となると、当然ながら見え方は変わってきます。

大切なのは、
残高を大きく見せることではなく、

そのお金について、きちんと説明できることです。

3.開業を考え始めたら、通帳も育ててみませんか

融資のために「きれいな通帳」を作るのではない

ここで勘違いしてほしくないのですが、

融資を受けるために、見栄えの良い通帳を作りましょう。
という話ではありません。

大切なのは、
「開業に向けて準備してきた経過を説明できる状態にしておくこと」
です。

日々の積み重ねも開業準備になる

たとえば、
毎月少しずつ開業資金を貯める。
開業準備のために購入したものの領収書を残しておく。
設備や備品を先に購入したのであれば、その支払い記録を残しておく。
大きな入金があれば、その理由が分かる資料を保管しておく。

こうしたことを、開業直前になって慌てて始めるのではなく、

「いつか自分の店を出したい」
と思った段階から少しずつやっておく。

それだけでも、後になって違いが出てきます。

私はこれを、
「通帳も育てておく」
くらいの感覚で考えてもよいと思っています。

開業準備というと、
物件を探す。
ホームページを作る。
名刺を作る。
メニューやサービスを考える。
資格や技術を身につける。

そういったものに目が向きやすいと思います。

でも、
お金を準備していくことも、立派な開業準備の一つです。

4.創業計画書は「これから」、では通帳が意味するものは

創業計画書に書かれるのは未来の話

創業融資を申し込む際には、創業計画書を作成します。

そこには、
どんな事業をするのか。
なぜその事業を始めるのか。
これまでどんな経験をしてきたのか。
どれくらいの売上を見込んでいるのか。
どれくらいの資金が必要なのか。

といったことを書いていきます。

つまり創業計画書は、
「これから、こういう事業をやっていきます」
という未来の話です。

通帳には「これまで」が残っている

一方、通帳に残っているのは、
これまで自分がどのようにお金を準備し、
使ってきたのかという過去の記録です。

言ってみれば、
創業計画書は「これから」。
通帳は「これまで」。

この二つがつながっていることが大切です。

たとえば、創業計画書には、
「以前から自分の店を持つことを目標に準備してきました」
と書いてある。

そして通帳を見ると、実際に毎月少しずつ資金を貯めている。

開業に必要な資格を取得している。
必要な設備や備品を少しずつ購入している。
そうした履歴が残っていれば、
「本当に開業に向けて準備してきたんだな」
ということも伝わりやすくなります。

計画書と通帳は、まったく別々の資料ではありません。
創業計画書に書かれた「これから」と、
通帳に残っている「これまで」。
その二つが自然につながっていることも大切です。

5.「こんな通帳では融資は無理ですか?」

今の通帳を見て、不安になったとしても
ここまで読むと、
「自分の通帳、大丈夫かな……」
と少し不安になる人もいるかもしれません。
貯金があまりない。
最近、大きな入金があった。
親から資金援助を受けた。
生活費と開業資金が同じ口座に入っている。
カードやローンの支払いも同じ通帳から落ちている。
だから融資は無理。
という単純な話ではありません。
まず大切なのは、
今の自分のお金の状況をきちんと把握することです。
「なぜそうなっているのか」を説明できるようにする
なぜその入金があったのか。
なぜその支払いがあったのか。
どのお金を開業資金として考えているのか。
まずは、自分自身で説明できるようにしておくことが大切です。

もし今、
「通帳を見ると、ちょっと不安だな」

と思ったとしても、
これから開業するのであれば、まだ準備できる時間があるかもしれません。

これまでの履歴を変えることはできません。

でも、
これからどう準備していくかは変えられます。

6.創業融資の準備は、申込書を書くところから始まるわけではない

本当の開業準備はもっと前から始まっている

創業融資という言葉を聞くと、

金融機関に相談する。
創業計画書を書く。
必要書類を集める。
面談を受ける。

こうしたところから始まるように思うかもしれません。

でも実際には、そのもっと前から準備は始まっています。

毎月少しずつ貯金すること。
開業に必要な知識や経験を積むこと。
開業準備に使ったお金を記録しておくこと。
どんな店にしたいのかを考えること。

そして、
「なぜ自分はこの店をやりたいのか」
を少しずつ考えていくこと。

こうした日々の積み重ねが、
後になって創業計画書を作るときにも、融資を考えるときにも役に立ちます。

1年後に開業するなら、その1年も準備期間

「まだ開業するのは1年後だから」
と思う人もいるかもしれません。

でも、1年あるなら、
その1年を準備期間として使うことができます。

たとえば、毎月3万円ずつ貯めれば、1年後には36万円になります。

もちろん36万円という金額も大切です。

でも、それと同時に、
「1年間、開業に向けて準備を続けてきた」
という経過も残ります。

開業は、開業届を出した日から突然始まるわけではありません。

「いつか自分の店を持ちたい」
そう思った日から、少しずつ創業準備は始まっているのかもしれません。

まとめ まずは自分の通帳を開いてみよう

飲食店や美容サロンなど、

これから自分の店を出したいと考えているのであれば、
事業のことを考えるのと一緒に、一度、自分の通帳も開いてみてください。

見るのは、今の残高だけではありません。

これまで自分が、
どんなふうにお金を使ってきたのか。
どんなふうに貯めてきたのか。

そして、
これから開業までに、どんな準備ができるのか。

少しだけ意識してみてください。

創業融資を受けるためだけの話ではありません。

自分のお金の状況を把握することは、自分で事業を始めるうえでも大切な準備の一つです。
「いつか自分の店を出したい」
そう思ったその日から、できることはあります。

そして、
「自分の場合はどうなんだろう?」
「まだ具体的には決まっていないけれど、開業について少し話を聞いてみたい」

そんな段階でも大丈夫です。
開業やお金の準備について気になることがあれば、まずは気軽にお話しください。