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社長のための週一経営メモ/「料理が遅い」と言われたら、すぐ知らせてと言っているのに。報告が後回しにされていませんか?|飲食店経営改善を考える

「それ、もっと早く知らせてよ……」

「すみません、さっきお願いした料理、まだですか?」

お客様に声をかけられ、注文を確認すると、確かに時間が経っています。
近くのスタッフに聞いてみたところ、こんな返事がありました。


「あ、先ほども、遅いと言われていました」


それを聞いて、思わずひと言。

「それ、もっと早く知らせてよ……」

お客様をお待たせしていると分かれば、厨房への確認も、お客様へのご説明もできたはず。
だからこそ、普段から「料理が遅いと言われたら、すぐ知らせて」と伝えている。


それなのに、なぜか報告が後回しになる。

飲食店のオーナーや店長の皆さんには、こんな経験はないでしょうか。

「伝えてある」と「報告できる」は、同じでしょうか?

【分かっていても、動けない理由がある】

店長としては、難しいことを求めているつもりはないでしょう。
「お客様から言われたことを、すぐに伝えてくれればいい。
それだけなのに」

そう感じるのも無理はありません。
ただ、スタッフさんも「早く知らせた方がいい」
ということ自体は、分かっているかもしれません。

分かっていても、行動に移せない。

これって、何が原因か?
と考えてみたことはありますか。

もう一度、同じ指示を出す前に、
「お客様に声をかけられてから、店長へ報告するまでの間」
に何が起きていたのかを確かめてみませんか。

スタッフさんは、報告する前に何を考えているのか

例えば、スタッフさんはこんなことを考えていたのかもしれません。

「まず、自分で厨房に確認しよう」
「もう少しで出るなら、わざわざ店長に言わなくても大丈夫かな」
「店長は忙しそうだから、後で伝えよう」
「この程度のことで、報告していいのかな」

自分で解決しようとした結果、
報告が遅れることもあれば、報告する基準が分からず、
迷っていることもあるかもしれません。

スタッフさんが自分で「そうだ!」と考えて、
行動しようとしていたかもしれませんね。

理由が違えば、必要な対応も変わってきませんか。

「どうしてすぐに言わないの?」
と結論を急ぐ前に、

「お客様に言われてから、どう動いていた?」
と聞いてみる。

そこで初めて、
店長からは見えていなかった事情が分かることがあると思いませんか。

報告を受けたとき、最初に何と返していますか?

【店長であるあなたの「何気ない」ひと言を、相手はどう受け取るか】

ここで、スタッフさんから報告を受けたときの、
ご自身の反応を思い出してみてください。

「なんで今まで言わなかったの?」
「それくらい、自分で確認してよ」
「今、忙しいんだけど」

こんな言葉を返したことはありませんか。

状況を確認したい。
スタッフさんにも考えて動いてほしい。
目の前の仕事が一区切りつくまで待ってほしい。

店長には、店長の事情がありますよね。

店長であるあなたにとっては、
何一つ違和感のない、悪気のないひと言かもしれません。

しかし、スタッフさんにとっては、

「報告したら、責められた」
「なんだか、凄くいやな顔された」

という経験になっているかもしれません。

すると次に同じことが起きたとき、
「また何か言われるかもしれない」とためらう。

その間にも、お客様をお待たせする時間は延びていきます。

「すぐ知らせて」
という言葉と、その後の態度

「すぐ知らせて」という普段の言葉と、
知らせたときの反応は、一致しているでしょうか。

お互いの信頼を支えるものの一つに、
言葉と行動の一貫性があります。

「困ったら相談して」と言っている人が、
実際に相談すると嫌そうな顔をする。

その経験が重なれば、
声をかけるのをためらうのも無理はありません。

自分が新人だったころ
忙しい中、必死に店長に報告したのに
「なんでもっと早く言わない」
「そんなことは、今言わなくてもいいだろ」
と言われたことありませんか。

逆に、たったひと言、
「そうか、ありがとう」
と伝える。

そのうえで、
「じゃあ、ちょっと厨房に確認してみるね」
と動くことができたら。

あるいは、
「ありがとう。厨房に確認してみて」
とお願いすることができたら。

この「ありがとう」が言えるか、言えないかで、
ホールの雰囲気が変わるとおもいませんか。

報告してくれたことを、まず受け止める。

そのひと言があれば、
スタッフさんも次に何かあったとき、
声をかけやすくなるのではないでしょうか。

問題が起きたときの対応が、次の報告をつくる

【忙しいときこそ、普段の言葉が試される】

もちろん、
忙しい店内で冷静さを保つのは、簡単ではないはずです。

料理は出さなければならない。
会計もある。
次のお客様も待っている。

そこへ
「料理が遅いと言われました」
と報告されれば、

焦りも出るでしょう。

ただ、店長に余裕がないときは、
スタッフさんも困っているかもしれません。

そんな場面で声をかけたときに、
どう応じてもらえたか。

その経験は、次の報告にもつながります。

まず報告を受け止め、
テーブルや料理名など、対応に必要な情報を確認する。

そして、厨房と状況を共有し、お客様への対応を進める。

「困ったら知らせて」という普段の言葉を、
実際の行動で示せる場面でもあります。

報告を受け止めたうえで、必要な指導をする

報告が遅れた理由や改善すべき点は、
お客様への対応が落ち着いてから確認します。

「お客様に言われてから、どう動いていた?」

そう聞いて、
スタッフさんが
「自分で厨房に確認していました」と答えたなら、

「確認しようとしてくれたんだね。
次からは、その時点で私にも知らせて。
お客様への説明を並行して進められるから」

と、取ってほしい行動と、その理由を伝えられます。

「忙しそうで、声をかけられませんでした」
という答えなら、

店長への声のかけ方や、
代わりに報告を受ける人を決める必要があるかもしれません。

何が起きていたのかを聞くことで、
指導する内容も具体的になります。

報告してくれたことに感謝し、
改善すべきことは伝える。

その両方があれば、
スタッフさんも次にどう動けばよいかを理解しやすくなると思いませんか。

「すぐ知らせて」を、迷わず動ける形にする

【誰に、いつ、何を伝えるかを決める】

関わり方と併せて、店内の手順も確認してみましょう。

「すぐ」「何かあったら」「必要に応じて」という言葉は、
使う人によって判断が分かれがちです。

経験の浅いスタッフさんには、
その判断自体が難しいこともあるかもしれません。

例えば、次のように決まっていたら、どうでしょうか。
• お客様から料理が遅いと言われた時点で、まず責任者に知らせる。
• 店長が対応できないときは、あらかじめ決めた代わりの担当者に知らせる。
• テーブル番号と料理名、お客様から言われた内容を伝える。

何分待っているかなど、
詳しい情報をすべて調べてからでないと報告できないと思わせないことも大切です。

まず分かっていることを共有し、
その後の確認や対応を分担する。

そうしておけば、スタッフさんが一人で抱え込む時間も減らせます。

なぜ早く知らせてほしいのか、目的も共有できていますか。

お客様は、料理が来ないことに加えて、
「忘れられていないだろうか」
「あとどれくらい待つのだろうか」
と不安を感じているかもしれません。

早く状況が分かれば、
見通しをお伝えしたり、別の対応をご相談したりできます。

だからこそ、早く知らせてほしい。
その理由まで、スタッフさんと共有できているでしょうか。

「店長が知っておきたいから」
だけでは伝わりにくかった指示も、

お客様のために、店全体で何をするのかが分かると、
行動の意味が見えてきます。

安心して報告できる関係と、迷わず報告できる手順。
その両方を整えておきたいところです。

スタッフさんからの報告を、「ありがとう」で受け止めていますか?

【「何度も言っているのに、報告してくれない」】

そう感じたときは、
スタッフさんが報告までにどんな判断をしていたのか、
ご自身が報告にどう応じていたのか、
そして店の手順が明確だったかを振り返ってみてください。

飲食店の料理提供に限らず、
美容サロンで予約時間に遅れが出そうなときや、
施術中に対応に迷ったときにも、同じことが言えます。

早く状況を共有できれば、
その分、周囲が対応できる余地が生まれます。

その入口になるのが、
報告を受けたときの、たったひと言かもしれません。

スタッフさんが
「料理が遅いと言われました」と伝えてきたら、

あなたは最初に、何と返しますか?