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【思い立ったらすぐ書こう・遺言書】

遺言書
相続争い
法定相続分

【法定相続分】

相続には「法定相続分」という規定があります。

遺産の分割割合を定めたもので、上記のように被相続人が「奥様(配偶者)」と「子供が2人」の場合の分割割合は、配偶者1/2。残りの1/2を子供の人数で均等に分割とされるので、この場合はそれぞれ1/4という分割割合になります。
遺言書のような故人の意思を示すものがなく財産が残された場合には、基本的にはこの法定相続分によって遺産の分割がなされることになります。

ただし、法定相続分で分割しなければならないと言うものでもなく、相続人全員が合意をすれば(「遺産分割協議」と言います)、法定相続分とは違った割合での分割も可能となります。「お母さんは1円も要らないし、他に何も要らない」「長男が財産全てを相続する」という内容で全員の合意を得ることができれば、分割割合を自由に決めることは可能です。

さて、上の例ですが・・・

「仲良く3人で分けてね」

と言われて、カニと生チョコとバターサンドと、喧嘩をせずに仲良く分けることができるでしょうか?

「カニはいらないから、生チョコ全部欲しい~」「俺が全部もらう」「・・・・・・」

とならないとは言い切れないかもしれません。

「お母さんが半分」「兄妹が1/4づつ」と言われて
カニを1/2,1/4,1/4。生チョコを1/2、1/4、1/4。バターサンドを1/2、1/4、1/4

と、一波乱ありそうな気配・・・

これを、「自宅」と「預金」と「車」とに置き換えたらどうなるでしょうか?
絶対に争いは起きないと言い切れますか?
「相続」という事は、財産を残すあなたはもうこの世にはいません。

家族が喧嘩をすることになったとしても仲裁することができないという事です。

遺言書

相続財産の多寡にかかわらず「財産を残す方が何を誰にどれだけ残す」ということを明確に記しておくことで、残されてしまった家族が不要な争いをしないで済みます。

「死」は自分史を飾る「自分の」最後のものであると同時に、「他人の」ためのものであります。

残された家族にとって、親の愛情を受け取ることができなくなり、「財産の多寡」が愛情を推しはかる指標になってしまうのかもしれません。「お兄ちゃんばっかり」「お前がそんなにもらうのはおかしい」と、「金額」というフィルターを通して親の愛情をはかってしまうことが争いの種になってしまうのかもしれないと思います。

遺言書

【遺言書の書き方】

「シンプルな遺言書」と言っても、そんなに簡単には書けないのでは?

と思っていませんか?

1,遺言書作成時の最低限のルール

遺言書として有効なものである為には最低限のルールがあります。

それは、次の4つです。

①全文を手書きで書くこと

②必ず日付を入れる(「2021年9月1日」のように日付まで、明確に記す)

③戸籍にある名前で、フルネームを書く(旧文字や特殊な文字を使っている方、特に注意してください)

④印鑑を押す(可能であれば、実印が望ましいです)

形式的な有効要件は以上です。

書き損じが生じた場合は、二重線や訂正印による修正は認められていないので、最初から書き直しになります。焦らず、落ち着いて丁寧に書き進めて行きましょう。


2、財産の指定方法

遺言書は、相続する財産の行き先を指定するための公的な文書です。

そのため、書き方には、一定の型があります。

書き方の基本は、次のとおりです。

「財産を【続柄】【名前】に相続させる」

これは、次の点を明確にすることを目的としているのです。

  • 誰に
  • 何を
  • どれだけ
  • 「相続させる」か「遺贈する」か(法定相続人なら【相続】、それ以外なら【遺贈】)」

例えば、『私の財産は、すべて妻 横浜花子(19xx年xx月xx日生まれ)に相続させます』という書き方が基本となります。

極端な話をすれば、この一文が書かれていて、書いた日の日付と、署名と捺印があれば、それで遺言書となります。

そして、「遺言執行人として、妻 横浜花子を指定する」と書き添え、封筒に封印して、「これは遺言書なので、開封せずに家庭裁判所で検認を受けること」などと表書きしておけば、基本は押さえたことになります。