BLOG ブログ

【相続:相続税の基本】

「相続税ってどれ位かかるの?


相続の準備を何をしないうちに相続が発生してしまうと、想像以上に高額な相続税を課されてしまうこともあるようです。

ここでは、「相続税」のおおよその計算方法についてみていきます。

詳細につきましては最寄りの税務署か、相続専門の税理士さんに相談されるようにお願いします。

1、相続税の計算方法

 STEP1.遺産の合計額を計算する

相続が開始され、相続税について考える際には、まず、故人が所有していた財産の合計額を算出することから始めます。

個人の所有していた財産として考えるべきは、
・現金預貯金・株式・不動産・生命保険金・死亡退職金等があります。

生命保険金や死亡退職金は厳密には故人の死亡時には所有していない財産なので、民法上の相続財産にはあたりません。が、相続税を計算する際には、「相続財産とみなして」計算されます。

ただし、この生命保険金と死亡退職金には非課税枠(つまり、相続税が課せられない枠)があり、【500万円×法定相続人の数】が非課税とされます。

       

なお、墓地・仏壇・仏具・祭具等はどうなのでしょうか?

これらは非課税財産ですので遺産に含めて計算する必要はありません。

      

故人の財産がプラスのものばかりとは限りませんね、故人が借金を抱えていた場合はどうするのか?

故人の残した財産に借金のようなマイナスの財産がある場合には、遺産の合計額から借金の金額差し引くことができます。

     

 STEP2.生前贈与加算を考慮する

生前贈与加算とは死亡前3年以内に故人から相続人が贈与を受けていた場合、生前贈与がなかったものとして贈与額を相続財産に含めて相続税を計算することを言います。

   

死亡前3年以内に贈与を受けていた場合は贈与された金額を加算しましょう。

   

 STEP3.相続時精算課税制度を考慮する

     

60歳以上の親・祖父母から20歳以上の子供・孫に贈与する際に相続時精算課税制度という制度を利用して贈与することができます。

相続時精算課税制度を利用して贈与すると贈与額の合計が2,500万円になるまでは贈与税が課税されません。

ただし、相続発生時に相続時精算課税制度で贈与した分を相続財産に含める必要があります。

      

相続時精算課税制度を利用して贈与をおこなっていた場合は相続時精算課税制度で贈与した分を遺産の合計額に加算します。

         

 STEP4.相続税の基礎控除額を差し引く

    

これまで計算した遺産の合計額から相続税の基礎控除額を差し引きます。

相続税の基礎控除額は【3千万円+(6百万円×法定相続人の数)】で算出します。

     

遺産の合計額よりも相続税の基礎控除額の方が大きい場合、相続税が課税されませんので申告手続きをおこなう必要はありません。

           

 STEP5.法定相続分の取得額を計算する

         

基礎控除額を引いた金額を各相続人が法定相続分のとおりに相続したと仮定してそれぞれの取得額を計算します。

     

なお、法定相続分とは民法で定められた遺産の分け方の目安です。

     

 STEP6.法定相続分の相続税額を計算する

    

法定相続分で分けたと仮定した場合の取得金額に応じた各相続人の相続税の金額を計算します。

そして、各相続人の相続税の金額を全て足し合わせます。

            

 STEP7.実際の取得割合で相続税を分配する

            

相続税の合計額を各相続人が実際に取得した割合で分配します。

        

 STEP8.相続税額の2割加算を考慮する

         

相続税額の2割加算とは故人の配偶者・子供・親以外遺産を受け取った場合、
相続税額を2割増しにする規定です。

配偶者・子供・親以外の相続人の相続税額を1.2倍してください。

      

 STEP9.税額控除を差し引く

            

一定の要件を満たすと税額控除が受けられます。

<税額控除の例>
・配偶者軽減
・未成年者控除
・障害者控除
・相次相続控除

税額控除の要件を満たしている場合は相続税から一定額を差し引いてください。

     

今回は、

「相続税はいくら課税されるのか?」について説明させていただきました。

当事務所では、相続を専門に扱う税理士事務所と連携して、ご相談者様に想定外の相続税が課税されないように、細心の注意を払いながらご相談に乗らせていただいております。

相続について、どこに相談したら良いのか分からない方も、お気軽にご連絡ください。