「イレギュラーな業種の場合のポイント」

創業融資案件で相談を頂いてから、通常は1か月半から2か月で融資実行の流れになります。現在「製麺業」の創業相談を受けておりますが、これも、融資申込から実行までには、おそらく2か月位で実行されると思われます。ところが、ニッチな業務の相談であったり、新規ビジネスプランであるような場合だと・・・

　

４か月もかかるようなこともあります。

申し込みのために計画書などの資料を作る打ち合わせなど申込準備に３週間、金融機関に申し込んでから、なんと３ヶ月かかった事案です。

東京都の区の制度融資だったため、区の斡旋をうけたり、信用保証協会と銀行の審査を受けたりしなければならないので、日本政策金融公庫の融資よりも時間はかかることは予想していましたが、予想以上にかかった案件でした。

申込準備から融資実行までに４ヶ月にもおよぶ融資案件は珍しいですが結果的には無事に融資が実行されました。

　　

なぜ、こんなに時間がかかったのでしょうか。

それは、なじみのない業種だったため、その事業が本当に成り立つのか。
融資をしても大丈夫なのか。ということを慎重に審査をしたのだと思います。

どこにでもあるような、ありふれたビジネスプランではなく、ニッチなビジネスであればあるほど、ピンポイントでの需要にこたえることが出来ますが、融資をする方にしてみれば、「本当に成り立つのか？」という観点からは、どうしても慎重に審査を進めていくことになるのは、仕方のないことです。

「本当、ビジネスとして成り立つのか？」

「間違いなく、返済してもらえるのか？」

当然、前例がなければ、その根拠を示すだけの資料の提出が求められます。

逆に言えば、「資料の追加を求められる」と言うことは、前向きに進んでいると言うこと。

慎重になることは予測できていたので、準備にも３週間と長くかけて計画書など十分な説明資料、事業開始からの資金繰り予測などを作りこみ万全の体制を築いておきます。

時間はかかってしまいましたが、結果的にＯＫが出たのです。

創業融資の相談の中には、珍しい事業を始めるという方が結構多くいます。

イレギュラーな案件だからこそ相談に来るのでしょうけど、本当に多いです。

世の中にはこんなビジネスもあるのだなぁ。と感心することもしばしばあります。

　　　　

新ビジネスの場合、そのビジネスを担当の方に的確に伝えるということが非常に大切なこととなります。
いくら、収益が出て、今後発展できるビジネスモデルでもそれを第三者に伝えることが 出来なければ、意味を持ちません。

特に、融資を受ける際は、その金融機関に理解してもらえなければ融資を受けることは出来ないのです。

例えば、似たようなビジネスモデルを展開している会社があるならば、そこの会社案内やwebサイトをプリントアウトして持っていくことや、自分の事業とドンピシャの事業ではなくとも根本の発想が似ている業態を例にとって説明するなど、何も分からない人が見てもイメージが湧くようにいろいろと工夫する必要があります。

　　　　　　　　

また、事業を開始してからはどのくらいの収益が出て、キャッシュフローはどうなるかなど、資金繰り予定表を作成して見せてあげるなども有効です。

自分の始める事業があまり類似のビジネスがなくて融資を申し込むのにどうしたらうまく伝えられるか悩んでいる方は、どうぞご相談ください。

ポイントさえ押さえておけばイレギュラーもレギュラーもありません！
要は、事業の概要、事業が成り立つ理由、開業後の資金繰りなど基本的なことをしっかりと伝えることができれば良いのです。