2021年に新たに創設される「事業再構築補助金」。
飲食店経営者の方が利用を考えるとすると、店内で提供されていたものを、テイクアウトで提供できるような取組を始める。
オンライン専用の注文サービスを開始、宅配部門を創設する等、従前と大きく違った事業に大胆に転換することが必要となります。
コロナ禍は、大胆な事業転換のチャンス?!
補助金100万~6000万円の補助金の給付を受けて、
テイクアウト販売を開始したり、宅配事業に本格的に取り組んでみたりと、従来とは違った「サービスを提供できるチャンス」です。
この1年で、コロナウィルスの影響を受けていない業界はないでしょう。
悪い影響、良い影響、それぞれかもしれませんが「価値観」「働き方」など、新しい生活様式と言われるものが登場し、従来とは違った生活様式が定着しつつあるのではないでしょうか?
飲食業界に対する影響は大変大きいもので、「夜大勢で集まって、ジョッキを傾け、大きな声で楽しく過ごす」というようなお店の利用の仕方は自粛されるようになました。例年であれば今の時期は、新年会シーズンが終わり、春先の歓送迎会シーズンに向けての予約の電話が鳴り始める頃なのですが、今年は、事業転換の大きなチャンスの時期になりそうですね。
飲食業界における「事業再構築補助金」とは、
「喫茶店経営」において、
飲食スペースを縮小し、新たにコーヒー豆や焼き菓子のテイクアウト販売を実施。
「居酒屋経営」において、
オンライン専門の注文サービスを新たに開始し、宅配や持ち帰りの需要に対応。
「レストラン経営」において、
新たにドライブイン形式での食事のテイクアウト販売を実施。
「弁当販売」において、
新規に高齢者向け食事宅配事業を開始する。地域の高齢化へのニーズに対応。
等に使える補助金とされています(経済産業省サイトより)。
企業の思い切った事業再構築を支援
1,補助金額100万円~6,000万円
新分野展開や業態変換、事業・業種転換等の取組、事業再編またはこれらの取組を通じた規模の拡大を目指す企業・団体等が要件を満たすと・・・
最大1億円の補助が受けられます。
通常、「補助金」と言うと「建設費」や「工事費」は補助対象外となることが多いのですが、今回のこの「事業再構築補助金」については、飲食店や食品製造業者が設備を改装したり建築する際の経費まで補助される見込みとなっており、注目されています。
最大1億円の補助金を受け取る可能性もありますが、それだけの規模で事業転換をされる企業様は多くはないでしょう。経済産業省においても、400社限定とされております。
通常は、補助金額100万円~6,000万円 補助率2/3
(9,000万円以上の取組で、6,000万円の補助。150万円の取組で100万円の補助)
対象となるのは・・・
①「申請前の直近6か月のうち、任意の3か月の合計売上高が、コロナ以前の同3か月の合計売上高と比較して10%以上減少していること。
②事業計画を認定経営革新等支援機関や金融機関と策定し、一体となって事業再構築に取り組むこと
③補助事業終了後3~5年で付加価値額の年率平均3.0%(一部5.0%)以上増加、または従業員1人当たり付加価値額の年率平均3.0%(一部5.0-%)以上増加の達成。
経産省のサイトにあるように、飲食店での取り組みで分かり易いものは、ネット販売事業、宅配、テイクアウトサービス等ですね。
食品の製造業に携わる企業様は、需要が縮小してしまった従来の品目とは別に、今後需要が見込まれる別分野の商品の製造に乗り出すことなどが考えられる取り組みになりそうです。
そして、事例上には「店舗での営業規模を縮小」「当該事業の圧縮・関連設備の廃棄等を行い」「店舗での営業を廃止」など、既存事業の大幅な縮小・廃止をする旨の記載がある点に注目です。
おそらく、今後公開される公募要領では、要件として既存事業を縮小・廃止することが求められることが予想されます。
この点が、事業再構築補助金と言われるている所以かもしれません。
補助金の活用の前提として既存事業を廃止するほどの覚悟も持ってください、ということかもしれませんね。
2,「事業再構築補助金」申請書式について
今これを書いている日現在、事業再構築補助金の公募は開始されていません。したがって、申請書や公募要領については予測の域をでません。
3月の初旬に詳細が発表され、中旬には申請が始まるのでは?と言われております。
「事業再構築補助金」は2021年1月に受付終了した「持続化給付金」の後継制度としての位置付けで創設されるものです。
新型コロナウィルスの影響が長引く中、給付金による一時的な支援ではなく、経営者の方が自ら考えて状況を打破しようとするする取組に対して補助をしようとする趣旨になってきました。
補助金額は大きくなりましたが、あくまでも「補助」であり、企業の側もリスクを背負って費用を負担すること。
そして、経営者の方が考えた事業計画に実現性があるか否かが厳しく審査され、採択を受けることで初めて補助金を受け取ることができるという制度になっています
したがって、事業再構築補助金の公募要領が発表前の今、
「事業計画」について、具体的に考えをめぐらし準備をしておくことが重要と言えます。
例えば、設備機器1つを例にとってみると、
①何の為の設備機器の導入なのか?
②その設備機器の導入には、いくらかかるのか?(導入コストは適正であるのか?)
③設備の導入によりもたらされるメリットがどれ位のものなのか(お金軸、時間軸等、多面的に分析)。
④継続的に事業を展開することが可能であるのか?
等、具体的に数値化することで審査担当者に、数値で伝えることができる「計画書」を準備しておきましょう。
3,専門科家に相談するメリット
補助金の申請は、性質上早ければ早いほど、採択される確率が上がる傾向にあります。
もちろん、早ければ良いと言うものではなく、しっかりと公募要領に基づいて申請書を準備する必要があるのですが、書類の完成度が同じであるならば、公募開始されてから直ぐに申請した場合と、しばらく時期を置いてから申請された場合とでは、前者の方が採択される確率は高いと言えます。
では、この時期に完成度の高い申請書を準備するにはどうしたら良いのか?
公募要領の発表されていない今、周囲の専門家に相談してみるのが良いでしょう。
自社が中小企業であり、「規模拡大」「新分野展開」「業態転換」を考えている場合は、可能な限り早く相談先を確保されることをお奨めします。
「情報は1日でも早く欲しい」
「事業計画」について具体的にどのように書いたら良いのか良くわからない
「申請書を1人で書くのは大変そう」
「無事、申請、審査をパスした後もサポートしてもらえると助かる」
等、専門家に相談することで得られるメリットは多いものです。
まずは、顧問の税理士さんに聞いてみてはいかがでしょうか?
ただし、税理士さんも万能ではないので、専門外の場合もあります。
そんな時は、税理士さんから専門の方にご紹介をお願いしてもらうなり、普段からお付き合いのある金融機関の担当さんに相談してみるのも1つの手段だと思います。
また、当事務所においても補助金申請支援には力を入れておりますので、お気軽にご相談ください。
早ければ、今月末、3月の初旬には詳細が発表になると思われます。
こちらでも、常時、情報を更新していきます。