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【小規模飲食店が『期間限定食べ放題』を開催する意味はあるのか?】

【小規模飲食店が『期間限定食べ放題』を開催する意味はあるのか?】

最近、大手飲食チェーン店では、集客力や売上向上を目的として『期間限定の食べ放題イベント』を開催するケースが増えてきました。回転寿司チェーン「かっぱ寿司」を展開するカッパ・クリエイトでも、事前のネット予約を必須条件に食べ放題イベントを実施し、大きな広告効果を生んでいます。この点については先日投稿した通りです

では、小規模な個人経営の飲食店がこれを真似して、『期間限定の食べ放題』を開催することには、果たして効果が期待できるのでしょうか?行政書士として日々小さな飲食店の経営サポートに携わる立場から、メリット・デメリットを詳しく考察してみます。

【メリット①:新規集客・話題性が得られる】

『期間限定』『食べ放題』というキーワードは、飲食店の集客において非常に強力です。お得感や特別感があるため、新規のお客様の関心を引きやすく、SNSや口コミを通じた話題化も見込めます。これは飲食店にとって広告費に代わる宣伝手法となり、小さな店でも一気に認知度や集客力を高めるチャンスです。

【メリット②:アイドルタイムや平日の有効活用】

普段集客が難しい平日の昼間や夜の早い時間帯に開催すれば、通常は空席の多い時間帯でも売上を作ることが可能になります。また、食材の回転が早まることで、食材ロス削減にも寄与できます。

【メリット③:リピーター獲得につなげる仕掛け】

ネット予約を条件とすることで、参加者の連絡先やSNSのフォロワーを増やすことが可能です。イベント後にはリピーター向けの割引クーポンやポイント還元などの施策を活用することで、イベント終了後も定期的な来店を促す仕掛けが作れます。

【デメリット①:原価管理の難しさ】

大手チェーンでは大量仕入れでコストを抑えられますが、小規模店の場合は原価管理が難しくなります。食べ放題イベントを低価格で設定した場合、利益が圧迫され、想定外の赤字リスクを抱える可能性があります。

【デメリット②:オペレーション負荷の増加】

人手や設備が限られる小規模店では、急激な集客によってスタッフへの負荷が高まり、サービスの質が低下するリスクがあります。サービスの低下は新規顧客の不満を招き、結果的にリピートにつながらないケースも想定されます。

【デメリット③:ブランド価値低下の恐れ】

小規模店の場合、普段から低価格路線をとっていない限り、「安売りイメージ」が定着するとブランド価値が低下し、通常営業の際の売上や顧客層が崩れてしまう可能性もあります。

【小さな飲食店が食べ放題を成功させるには】

メリット・デメリットを踏まえると、小規模飲食店が食べ放題イベントで効果を出すには、以下のような戦略が必要になります。

予約制で限定人数に絞る(リスク管理)

食べ放題メニューを一部の原価が低く回転率の良い料理に絞る(原価管理)

SNS投稿やフォローなど、リピーターにつながる仕組みを必ず取り入れる(顧客情報収集)

大手チェーンの真似をそのままするのではなく、規模や特性に応じた緻密な戦略を組み立てることが求められてきます。

今回の考察が、小規模飲食店のオーナー様にとって「自分の店でも食べ放題イベントを行うべきか?」を判断する一助になれば幸いです。飲食店経営は常に戦略的判断が重要です。イベントを効果的な「広告費」として活用し、長期的な売上アップにつなげていきましょう。