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【事業資金調達時に必要となる「事業計画書」とは、一体何をどのように書けばよいのか?】

金融機関から融資を受けるには絶対に必要とっても過言ではない「事業計画書」。

一体、金融機関は事業計画書のどこをみているのか?

そして、経営者である「あなた」は、一体何に気を付けて事業計画書を作ればよいのか?

1、従業員のやる気向上・経営改善の第一歩です。

経営状態が必ずしも良いとは言えないお取引先の中には、お取引先を訪問することで「なるほど、確かにそんな感じ」だなと感じることが多々あります。
更衣室や休憩所、食堂と言った従業の皆さんが使う場所はもちろん、廊下や階段なども手入れが行き届いていないない、働いている現場が雑然としていているし、従業員のモチベーションも全般に低め。

こんな感じを受けるお取引先は、「単純に毎日の作業をこなしている」といった状況にあると言わざるを得ません。

従業員の方達は、いつかは会社の状況も良くなるだろうと信じて働いているのかもしれませんが、こんな状況のままでは業績の回復は難しいと言えます。
何をどうしたら良いのか、「旗振り」をする方が居ないので、いつまで経っても
「自分達は、毎日、毎日、頑張っています」
と言うだけで、状況改善の為の行動がともなってこないからです。

ここで大切なものが、そう
「事業計画書」
ですね。

「事業計画書」を作るべき最大の理由は、
「従業員1人1人にゴールを設定する」ということです。
自社の「夢物語」を語るものでもなければ、銀行から「作ってください」と言われたでの渋々作るという類のものではありません。
経営者以下従業員全員の置かれている状況を理解・整理し、経営改善の為に何をなすべきかの羅針盤を設定し、全員で一致団結する為に作成するものです。

「ゴールが決まる」という事は、具体的にそこに到達する為には何が必要かを自ずと考え、準備を行い行動するようになります。
結果的には、従業員のモチベーションアップにつながります。

「2021年、年商○億円を目指す!」
と言うだけではなく、
「◇◇で○千万、▽▽で〇千万、△△で○千万、合計○億円を目指す!」
と具体的になっている方が、実はその計画も達成されやすくなると言えます。

この「事業計画書」、つくるだけで目標達成に近づくのであれば、作らない手はないですよね。
さらに、経営者の方の頭の中にあるものを書き出してみることで、いままで気が付かなかった新たな「視点」を発見することもあります。
「上手くいっていないことを全て書き出してみたら、原因が見つかった」とか
「あと一歩、何かが足りない、と思っていたら、案外簡単なことを見落としていた!」とか

そんな「気づき」を発見できるのも「事業計画書」作成の効果です。

1)各事業の損益状況を整理してみる

事業計画,資金計画,損益計算書
実は、多くの経営者の方ができていないのが、「自社の部門別・商品別」の損益状況の理解。
決算書をみて、赤字か?黒字か?、売上はどれ位あるのか?までは理解しているものの、
「利益は?」となると、「・・・」という方、少なくないのが現実です。いかがですか?

1千万の売上を作る為に
1口1千万の仕事を1件 利益率5%
1口5百万の仕事を2件 利益率30%
1口2百万の仕事を5件 利益率20%
1口1百万の仕事を10件 利益率30%
という内容であったとしたら、経営者であるあなたは、どの仕事を受注して利益を出して行きますか?
売上は、どれも同じ額が上がります。
ただし、単価が違うので単価の安いものは「手数」が掛かります、「手間」ですね。
理想は、「高単価」「高利益率」ですが・・・

自身の事業の分析が出来ていなければ、貧乏暇なしに一直線ということすらあり得ます。
上の例でいえば、5百万の仕事の受注を増やしていけば、仕事の件数を押さえながら売上を維持向上させながら、利益を出して内部留保もできるようになるかもしれません。

事業資金融資を金融機関にお願いする場合には、金融機関の担当者は「御社の強みは何ですか?」と聞いてくることは良くあります。
そんな時に、「これこれの事業が、売上、利益、手間等から考えて、当社の売上の柱であり、強味です。」とシッカリ答えることができれれば、金融機関の担当の印象が断然よくなります。

「事業計画書」の作成は、御社の損益状況や強味・弱みを再発見させてくれます。
このことが、経営改善の第一歩にもつながりますので、「メンドクサイ」と言わずに「事業計画書」作成に是非時間を割いて欲しいところです。


2)御社の将来の姿を現すのが、「事業計画書」です。これがあれば、融資の審査にも通りやすくなります

融資,資金調達,保証協会
事業資金調達において、自治体の制度融資に申込をするような場合、「事業計画書」の提出を求められる場合もあります。
自治体に限らず、金融機関に融資を申込む場合や、保証協会を利用しようとする場合にも、「事業計画書」を予め用意しておくことで話しがスムースに進みます。

融資をする側の立場の人間にしてみれば、今後どのような形で企業が成長していくのは一番気になるところです。
と同時に、経営者であるあなたにとって、「自分の会社がどのように成長して、どこを目指すのか?」がハッキリと示せる「事業計画書」を作成することは、何よりも大切なことであるはずです。

金融機関からの融資を受け易くなるとか、会社の強み・弱みがハッキリわかる様になる、というのはあくまで副産物です。
自社が今後、どの様に発展して行くのかをしめすのが、「事業計画書」であることを意識して、真剣に作成してみてください。・