「飲食店経営という仕事」

飲食店経営の現実を知る

飲食店開業と言うと、「誰でも始められる」「簡単に儲かる」などと、思われがちですし、考えがちです。
しかし、実際にお店で働いたことのある方なら、よくご存じだと思います。
現実には、非常に苦労が多く、厳しい仕事であると言えます。労働集約的な仕事であるため、効率を上げるにしても限界がありますし、お客様1人が落としていく代金に関しても、多大な期待はできません。
比較的簡単に開業できることは事実ですが、敷居が低いということは、「新規参入者が多い」ということです。面白い商品やサービスを開発しても、アッと言う間にマネをされ、尚且つ、その商品の寿命も非常に短くなってきていると言えます。
リスクは、まだまだあります。
例えば、自分が開業した店がやっと軌道に乗ってきた。ところが、ある日を境にバッタリ客足が途絶えてしまった。
なぜか???近所に競合店が出店してきてそのあおりをまともに食らってしまうことのなど、日常茶飯事です。
食材の不安が社会的なニュースになったりすれば、その食材をメインに扱っている店舗では、やはり、もろに影響を受けることになるでしょう

独立開業して10年続けば、「老舗」の仲間入り位の激しさです。
飲食店の開業5年後の廃業率は20%を超えています。必死に独立開業しても、4店舗中1店舗は5年持たずに暖簾を下ろしているという数字です。しかも、この数字は、あくまで「廃業した店」の数ですから、「順調に売り上げを伸ばしている店」はさらに少なくなるということです。

 

飲食店を開業し、経営していくということは、参入こそしやすいものの、成功率は低い仕事であり、リスクの大きな挑戦であるということを、しっかりと認識しておくことは、成功への第1歩となることは、間違いありません。

 

リスクについて考えてみると・・・

 

「リスク」と言っても、必要以上に神経質になる必要はありませんが、
「こんなはずではなかった・・・」と言った事態にならない様に、想定できるリスクは予め肝に銘じておくべきです。

 

1、「経営」に関するリスク
初期投資は、どうしても大きくなりがちであること。

一般的な話としては、少なくとも500万円位は掛かると考えておきましょう。
内装、水回りなど、場合によっては、さらに額が大きくなることもあります。

売り上げには、「限度」が存在します

お店を開店すれば、青天井で売り上げが伸びていく訳ではありません。
店舗面積つまり、客席数、客単価、営業日数、、厨房生産能力、時間帯設定に制約が存在するため、必ず、店舗における「売り上げ上限」があります。

システム化が困難です

開業して1年、2年、と年数を重ねていくことで、システム化をすることによって、年々、少ない労働力で、売り上げをキープできるようにしていきたいところですが、仕込み、調理、接客、洗い物、等々、とにかく、「マンパワー」により成立することなので、工場の様な、機械化、システム化には馴染みません。

利益率にも限度が存在します。

売り上げの壁が存在し、「マンパワー」を必要とすることで、10%を超えるような利益率を確保することは、難しいと言える出でしょう。

2、「労働」に関するリスク
長時間の拘束

厨房であれ、接客であれ、長時間での立ち仕事が基本です。かがんだり、振り向いたり、背伸びをしたり、肉体的な疲労は非常に厳しい仕事です。

「休めない・・・」

一国一城の主ですから、むやみやたらと、休むということもないでしょうが、お店を開けなければ売り上げは「0」です。年末年始、GW、夏休み等、世の中が休日であっても、仕事となることが多いので、ご家族の理解・協力が絶対に必要です。

3、「マーケット」に関して
マーケットは縮小傾向にあるということ

外食産業全体の市場規模は、1997年ころから、年々縮小傾向で、今後も急激な拡大は期待しにくい現状です。

社会環境による影響

人口減、少子高齢化、景気の不安定さなど、飲食業を取り巻く環境は厳しいものと言わざるを得ません。

競争の激化

厳しい環境であるにも関わらず、参入のしやすさや、様々な条件から、新規出店数は増大傾向。定年を迎えた団塊世代の開業や、独立するなら「若いうち」と独立志向のあいまりで、今後は益々過当競争に入るものと考えられます。

4、「成功率」に関して

5年後に、お店の健全経営ができているか?は、7割位は、お店を維持できているという割合。
但し、閉店していない、というだけで、利益計上できているわけではありません。飲食店を開業して成功する割合は5割程度と考えておきましょう。