「コンセプト」、どうやって作る?

コンセプト作成の大前提について、考えておきましょう。
コアコンセプト、サブコンセプトと考えなければいけないことはわかりました。
が、実際に作るとなると、何に注意して作っていくべきなのでしょうか?
必要な項目を確認していきましょう。

 

1、情熱を注げるものを突き詰める

お店の評価自体は確かに他人が行うもので、人がどう感じるかが大切です。独りよがりになってしまっては、廃業への道まっしぐらであることも既にお話した通りです。
が、「コンセプト」として設定したものに、経営者であるあなた自身が情熱を注ぐことができなければ、やはり成功は難しいと言わざると得ません。
「やりたいこと」と「やらなければならないこと」、
開業する方の多くが葛藤と覚えるところですが、「お客様の喜びは、自分の喜び」「お客様のごちそうさまが、何よりも嬉しい」となったら、飲食店を経営するにおいて成功に一歩近づいたと言えるかもしれません。

2、「はやり」にとらわれない

 「パンケーキ」、「かき氷」、各種スイーツ等、飲食業界には、大なり小なりの「流行」があります。四季に敏感になり、季節の食材を取り入れたり、「はやり」に敏感に反応して準備できるものは、準備するなど柔軟に対応することは大切です。
が、「はやり」「ブーム」と言ったものは、いきなり爆発的な広がりを見せたかと思えば、いつの間にか消えてなくなるものである、ということを忘れてはいけません。

3、独りよがりにならない

1、でも少し触れましたが、独りよがりのコンセプトは、廃業まっしぐらです。
自分ひとりの感覚でコンセプトを作っていると、どうしても視野の狭い、偏ったものになりがちですから、誰か他の方の意見を求めたり、常に客観的に冷静な目で、自分の作ったコンセプトを見直すことが必要です。

4、他者から学ぶ

成功への近道は、成功者から学ぶべきです。
0から100までコピーをしても、オリジナルには敵いませんが、数多くの成功している既存飲食店を研究することで、客観的に冷静に分析して、自分の店のコンセプトに上手に取り込みましょう。
「うまくいかない理由」を探すよりも、「うまくいっている理由」を探す目を養い、自分のモノとして昇華しましょう。

5、「良いもの」が売れるとは限らない。

「熱いスープを飲みたい方に、冷たいアイスクリームを奨めても・・・」
どれだけ、新しいアイデア、素晴らしいアイデアを捻り出すことができたとしても、
「ニーズの無いところでは、売れません」。
コンセプトを考える上では、「マーケッティング」は絶対に必要です。
「人が求めているもの」の中に、「あなたがやりたいものを、マッチさせましょう」

「業種」「業態」を考える

コンセプトを決める上で、外せないのが、「業種」「業態」です。

「業種」「業態」とは、

「ラーメン屋」「うどん屋」「フレンチ」「中華」「うなぎ」「鉄板焼き」「イタリアン」等、わかりやすく言えば「〇〇屋」と表されるのが「業種」です。

 

そして、「どのように売るか」かが、「業態」です。
「ファミリーレストラン」「ファストフード」「立ち食い店」「居酒屋」「ビュッフェ」「カフェ」と言った感じです。

 

飲食業における、新しい流行の店舗は多くの場合、「業種つまり、売る物」が特に新しいわけではありません。いままであった業種を、新たな売り方(業態)で提供しています。
つまり、業態が新しい事例がほとんどです。
この、「業種」と「業態」の組み合わせの工夫で、店づくりの可能性も無限に広がっていきます。
既存の業種・業態で勝負するもよし。新規業態を開発して勝負するもよしです。
異業種とのマッチアップも視野にいれてコンセプトを作り上げましょう。

コアコンセプトを決める

あなたのお店の成功は、あなたのお店のお客様の支持があってこそ。
そして、成功の核となるのが、「コアコンセプト」です。

 

「業種」「業態」を決めたら、

1、コアコンセプトを決めましょう

あなたのお店作りにおいて、この「コアコンセプト」がすべての土台になってくるということは、既にお話をした通りです。
お客様にしっかりと支持されるものを作り上げましょう。そして、お客様から支持を受けるべき対象は、あなたの作る
「物=商品」ではなく、あなたが売る「こと=サービスや雰囲気」ということです。

 

色々と、コアコンセプトに詰め込みたい気持ちもわかりますが、
なるべく、わかりやすい言葉で表現すべきです。

 

あなたのお店に足を運んでくれるお客様は、あなたのお店のどんな「コト」を求めていますか?
仕事で疲れて、やっとの思いであなたのお店に着きました、あなたのお店で元気になれる「コト」
食材への不安がなく、健康な食事ができる「コト」
くつろげる雰囲気で、ゆっくりと時間を過ごせる「コト」
旬や季節に合わせたおいしい料理が楽しめる「コト」
現場で働く最高の笑顔が、人の心を和ませてくれる「コト」

 

あなたのお店のコンセプトは
「私たちの「食」「行動」によって、
お客様の心と身体に、安らぎと喜びを与え、明日からの活力になりえる笑顔を提供します」
というようなコアコンセプトになるのでしょうか?

 

コンセプトに必要な3つの視点

折角作った「コンセプト」を絵に描いた餅にしない為にも、3つの「コト」を頭の片隅に置いて検討する必要があります。

「やりたいこと」(=自分の想い、信念)
「できること」(=自分の知識、経験、環境やお金等)
「やらなければならないこと」(=成功の為に、必要なこと)

成功しているお店の経営者は、この3つのバランスをうまくコントロールしています。
これから開業を考えている方、現在、自分のお店がうまくいっていない方は、まず自分自身の状況を客観的に分析
してみてください。

 

うまくいっていないお店の多くは、
「売っているコトに魅力がない」
「ニーズがない」
「売りたいコトが実現できていない」
のいずれかの場合にほぼ当てはまります。

 

あなたの作ったコンセプトはどうですか?
客観的な目で冷静に判断してください。

 

サブコンセプトを決める

あなたが折角考えた、「コアコンセプト」を実現するためには、その手段が必要です。
そして、その手段をより具体的なイメージに落とし込んでいくのが「サブコンセプト」です。

 

先にお話ししたサブコンセプト

サブコンセプト
@顧客コンセプト

性別、年齢層、職業等々、誰をターゲットに絞るのかを決めます

A立地コンセプト

駅地下、郊外、ビジネス立地、商業施設内等々、どこで売るのかを決めます

B商品コンセプト

飲食業の業態は千差万別です、何を売るのかを決めます

C価格コンセプト

扱う食材にもよりますが、利益を確保できなければ、商売が成り立ちません。価格設定は、非常に重要です

D店舗コンセプト

どんな雰囲気で営業を展開していくのか、店舗イメージを決めます

E接客コンセプト

どんなサービスを提供していくのか、制服や食器などを決めます

F販促コンセプト

どんなプロモーションで展開するのか、販売促進方法を決めます

G時間コンセプト

朝から売るか、ランチ限定か、深夜のみの営業か、いつ売るのか、営業時間を決めます。

 

これらサブコンセプトを決めていく上で、「USP」という言葉を覚えておきましょう。
マーケティングでよく使われる言葉なのですが、ユニーク・セリング・プロポジションの略で、
「販売する商品には、それ固有の特徴的な・特別な何かが必要」という意味です。
これを、飲食店のサブコンセプトに置き換えると、店舗で提供するモノには次の3つがなければならないということです。

 

1)特別なベネフィット=代金に見合うだけの価値があり
2)それが他店では、簡単にマネできないもので
3)お客様にとって、魅力的であるもの

 

特に、
「商品コンセプト(料理内容=クオリティ)」
「店舗コンセプト(店舗内外装=クレンリネス・アトモスフィア)」
「接客コンセプト(サービスの方法=サービス)」
の3つには、このUSPを欠かすことはできません。
そして、これらいくつかのコンセプトの掛け算の上に、お客様の満足度があるということです。
掛け算ですから、どんなに素晴らしいサブコンセプトがあったとしても、
1つでも「0」があれば、全体の出来上がりは「0」つまり、
満足度「0」=価値無しということになることに注意してください。

 

以上の3つのサブコンセプトをしっかりと決めた上で、残りの5項目も、ぬかりなく決めていきましょう。
全ての項目において、整合性が取れている必要があります。
この段階で矛盾を生じたままにしておくと、実際に営業を開始後、日和見的な判断になってしまい、失敗へのベクトルに傾きます。

 

各コンセプトの検討ポイントは・・・

  1. 顧客コンセプト
  2.   ターゲットを極力明確にすること。年齢・性別は言うに及ばず、
      イメージするお客様の趣味・嗜好、仕事、年収、価値観、家族構成まで設定して、
      ターゲットを絞るべき。

  3. 立地コンセプト
  4.   駅近、郊外、路面店、地下店舗、空中店舗、商業施設内、ビジネス立地、
      商業立地、人通りはどれくらいあるのか
      「顧客」同様、より細かい設定が成功への近道です

  5. 商品コンセプト
  6.   具体的なアイテム名よりも、商品全体の特徴やセールスポイントを前面に。
      「USP」を意識して「おいしい」のは、あたりまえ、「どんな風においしい」のか
      「価値があるのは、どこか」を打ち出す。

  7. 価格コンセプト
  8.   「ラーメン一本」「焼きそば一本」「お好み焼きのみ」等、単一メニュー一本勝負で
      なければ、単純にアイテム1品の価格と客単価のみを考えていくのではなく、
      トータルでのアイテム構成を考える。
      客単価はどれくらいの設定か、1人何杯なのか、1人何皿なのか、数字に換算
      できるものは、すべてここで検討。
      また、明確な金額だけでなく、価格帯のイメージも大切。
      「普段使いのリーズナブルな雰囲気」「ちょっと、贅沢なひと時に」
      「接待用に、贅沢に」「特別な1日の為に」と言った観点からも考えておくべき

  9. 店舗コンセプト
  10.   店舗の入口のディスプレイから、客席、トイレ、内装、外装の雰囲気と特徴を
      考える。お客様に実感していただきた部分は言葉で、イメージは写真等で。
      「USP」を踏まえて極力明確にしておきましょう。

  11. 接客コンセプト
  12.   どんな接客を基本とするのかを決めます。接客方法は千差万別、そのクオリティ
      は、青天井と言えるでの、従業員全員が守るべき、最低限の接客方法は明確
      に決めておくべき。キーワード等を使って雰囲気を伝えよう。
      「街一番の笑顔の溢れる店」「お客様に呼ばれる前に、声を掛ける店」
      採用の一基準にもなり得るので、実際に働く姿をイメージしてください。

  13. 販促コンセプト
  14.   「売上」は、「客数」×「客単価」で構成されます。
      売上を上げるには、「客数」を増やすのか、「客単価」を上げるのか?
      「客数」を上げるには、新規獲得を目指すのか、リピート率を上げるのか?
      「客単価」を上げるには、商品構成を変えるのか、価格設定を変えるのか?
      様々な要素が絡みあう中で、どこを伸ばすのかを考えた上で、
      販促グッズ、方法を考えよう。

  15. 時間コンセプト
  16.   「いつ売るか?」と、単純な時間設定に終わらず、
      週の頭の月曜日夕方、1週間の活力に・・・
      金曜日の夕方、お疲れ様でした。良い週末を・・・
      と、やはり、具体的なイメージが重要です。